1978 年 27 巻 11 号 p. 870-877,881
喘息児9名に6-10mg chlorpheniramine 単独内服および PGE_1 10μg・20μgの吸入併用の場合に薬剤の服用前後で呼吸機能・血中ヒスタミン・cAMPの測定を行い, 以下に示す結果を得た.1.呼吸抵抗は H_1 blocker に PGE_1 10μg 吸入を併用すると服用前値 6.5±2.0, 120分値 4.0±2.1(1) と有意に低下した.2.FEF_<25-75%> も PGE_1 10μg 併用によりそれぞれ1.52±0.51, 2.03±0.62(1), PGE_1 20μg 併用ではそれぞれ1.76±0.49, 2.14±0.63(1) と改善をもたらす傾向を示した.3.1秒量・努力肺活量は変動の幅が小さかつた.4.血中ヒスタミンは H_1 blocker 単独投与時の前値 0.048±0.011, 120分値 0.87±0.009(μg/ml) に対し, PGE_1 10μg 併用時はそれぞれ 0.040±0.010, 0.066±0.015(μg/ml) と有意な増加の抑制が認められた.5.Plasma cAMP は, 前値7.41±2.18に対し H_1 blocker 服用30分後 5.01±3.05, PGE_1 10μg 服用30分後 (120分値) 5.94±2.75(p mol/ml), PGE_1 20μg併用時, 前値 6.4±5.19, 120分値8.79±2.14(p mol/ml)と明らかな上昇が認められた.喘息児の気管支における H_1 リセプターおよびPGE_1 リセプターは局在を異にする可能性が考えられる.