著者らは, passive transfer test 陽性を示す寒令蕁麻疹の1症例に免疫学的検索を加え報告する.検索結果より, 以下に述べるような根拠に基づき, この症例の寒冷蕁麻疹発現に関与する血清因子は, IgMクラスに属するものと示唆された.1.Sephadex G-200クロマトグラフィーの第1ピーク分画に寒冷蕁麻疹活性が認められた.2.第1ピーク分画血清をanti-IgM immunoadsorbentにて吸収後, その上清によるpassive transfer testは陰性を示した.3.寒冷蕁麻疹活性はthermosiableであった.4.cryoglobulinによるpassive transfer test陰性であった.5.O型赤血球による寒冷凝集吸収後の血清によるpassive transfer test は陽性であった.