1979 年 28 巻 8 号 p. 633-639
鼻アレルギーにおいて, 鼻粘膜層あるいは上皮付近の反応が発症のトリガーとなるかどうかをみるため, 鼻アレルギー患者10名(ハウスダストアレルギー9名, チモシー花粉症1名)の鼻洗浄液細胞と末梢血白血球に抗原を in vitro で反応させてヒスタミン遊離率を求め, またハウスダストによる鼻アレルギー患者5名の鼻洗浄液中好塩基性顆粒細胞の形態学的脱顆粒現象を観察した.結果は次のとおりであった.1) 鼻洗浄液からの特異抗原によるヒスタミン遊離率は末梢血白血球と同様, 対照に比較して有意の差で高値を示した.2) 鼻洗浄液中好塩基性顆粒細胞の抗原による脱顆粒細胞の陽性率は対照に比し高値を示した.