1980 年 29 巻 11 号 p. 935-940
ヌードマウス脾細胞中に認められる自己赤血球とロゼットを形成するautologous rosette forming cell(ARFC)の検索とそれにおよぼす胸腺抽出物, levamisoleおよびmethyl-B_<12>の影響につき検討し, 次のような結果をえた.1) ARFCは抗BAT血清と補体処理にて減少することよりT細胞前駆細胞に属すると考えられた.2) ARFCは胸腺抽出物投与群では33mg/kg投与後48時間で, levamisole投与群では1.25mg/kg投与後24時間で, methyl-B_<12>投与群では6.25mg/kg投与後24時間でもつともARFC数の減少を認めた.3) 胸腺抽出物, levamisoleおよびmethyl-B_<12>はARFC数を減少させることより, これら免疫調節剤にはT細胞前駆細胞から成熟T細胞へ働きかける因子が含まれると思われた.