1980 年 29 巻 12 号 p. 1000-1007
リンパ球混合培養よりえられたアロ抗原反応性ヒトリンパ球(ARL)をTリンパ球成長因子(TCGF)と培養することにより, キラーTリンパ球(CTL)を主としたTリンパ球が長期間継代培養された.限界希釈法によりARLのクローン化を行い, (1)既知HLA抗原に対する特異性を有するCTLクローン, (2)未知の特異性を有するCTLクローン, (3)細胞障害性を持たないTリンパ球クローンを得た.しかしながら, これらのクローンの一部は複数のクローンより構成されており, 真の単一クローンを得るためには, 少なくとも2回のクローン化の操作を繰返す必要があるものと考えられた.