アレルギー
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Alternative Pathwayの補体成分の活性測定に関する研究 : 1.Cobra Venom Factorの精製とFactor Bの溶血活性測定
行山 康
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1981 年 30 巻 6 号 p. 316-323

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抄録

補体系のalternative pathwayの成分であるfactor B(B)の機能的測定法について検討した.Bと特異的に結合するコブラ毒中の成分であるコブラ毒因子(CVF)の精製を行い, CVFを用いて, B測定の条件, 特異性、factor Dの関与について検討した.CVFの精製はi)DEAEセルロース, 0.01Mリン酸緩衡液pH7.5, 13-17mili mho, ii)Sephadex G-200, 第2蛋白分画, iii)等電点電気泳動pH5-8, pH6.3-6.4にピークを示す分画, の3段階で行った.検体とCVFをMg-EGTA-VBSにて希釈して, 37℃60分反応後, モルモット赤血球と0.04M EDTAを加えたヒト血清にてさらに37℃60分反応させ, モルモット赤血球の溶血度よりB活性を計算した.充分なCVF量の存在で, B濃度に応じ溶血度が変化し, これは抗IgG, 抗C3, 抗C4にて抑制されなかった.Factor Dは正常血清中のBを測定する際は, 検体中に充分存在していると考えられるため, B測定の限定因子にはほとんどならなかった.確実にDの影響を除外するためには50℃30分処理血清を第一段階の反応に加えることが考えられたが, B活性測定と蛋白量とが高度の相関(r=0.92)を示すので, 本法でも充分Bの活性を表現するものと考えられた.

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© 1981 日本アレルギー学会
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