アレルギー
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気管支喘息児における運動負荷前後の病態に関する研究(第5編) : 寒冷暴露下における運動誘発喘息に対するマスク着用の予防効果
正木 拓朗永倉 俊和飯倉 洋治
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1982 年 31 巻 9 号 p. 941-947

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抄録

寒冷下化での運動負荷テストを喘息児8名と健康児5名に行った.マスク着用時とマスクのない場合について同一患者の運動後の肺機能の変動を検討した.エルゴメーター運動の負荷の程度を調べるためVO_2, VEもあわせて検討した.1) 健康児は寒冷時の運動によりFEV_<1.0>の変動は認められず, またマスク着用によりなんら影響をうけなかった.2) 喘息児は寒冷時の運動で著明なFEV_<1.0>, PEFR, V50, V25の低下を認めた.このEIBはマスク着用により予防可能であり, EIBの回復過程にも改善を認めた.3) エルゴメーターの運動は0.035KP/kg, 60回転/分, 6分間の一定の負荷とした.この負荷でVO_2は平均36.6±4.5ml/kg/minであり, 喘息児のEIB検出として適当な負荷と思われた.以上より喘息児の冬季の運動でEIAのため活動を制限される場合, 薬剤でEIAを予防する以外の方法としてマスク着用が勧められる.

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© 1982 日本アレルギー学会
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