アレルギー
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川崎病およびアレルギー性疾患における末梢血中リンパ球のADCC活性(K-Cell Population)について : 第2編 気管支喘息およびアトピー性皮膚炎におけるK-Cell Populationについて
鈴木 正之
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1984 年 33 巻 4 号 p. 216-223

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抄録

小児の気管支喘息42例およびアトピー性皮膚炎12例の計54例について, それらの発症に細胞性免疫がどのように関与しているかを知るために, 細胞性免疫の一つの示標として末梢血中リンパ球のADCC活性, すなわちK-cell populationをmicroplate法により測定した.1)気管支喘息の非発作時のK-cell populationは正常範囲内であったが, 発作時には高値を示した.発作の重症度とK-cell populationとの間には明らかな相関はみられなかった.軽度のアトピー性皮膚炎を合併した気管支喘息のK-cell populationはやや低値であった.2)中等症あるいは重症のアトピー性皮膚炎のK-cell populationは著しく低値であった.3)K-cell populationと血清IgE値, 特異IgE抗体, OKT4^+細胞およびOKIal^+細胞の比率とは一定の関係が認められなかった.しかし, K-cell populationとOKT8^+細胞の比率との間には正の相関が認められた.これらの成績から, 気管支喘息患児ではK-cell populationは低下していなかったが, アトピー性皮膚炎患児では低下しており, K細胞によるADCC ransmethylationが約50-60%抑制を受けたことから, われわれの行った実験は信頼性のおけるものと判定した.

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© 1984 日本アレルギー学会
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