ブドウ栽培者にみられた職業性ブドウ花粉症の1例を報告した.患者は43歳の男性で, ビニールハウスと露地のブドウ栽培に従事して20年目より鼻炎と結膜炎症状が出現するようになった.ブドウの開花期にはブドウ棚をゆすぶって花粉を飛散させた時やブドウ開花期にビニールハウスにはいった時数分で症状が出現し, そこを離れると自然に寛解した.ブドウ花粉抗原液による皮内反応とPK反応が陽性で, ブドウの生花粉を少量用いた鼻粘膜誘発試験と眼瞼結膜誘発試験が陽性であった.ブドウ花粉を抗原とするI型アレルギー反応で発症するブドウ花粉症と診断した.