1985 年 34 巻 6 号 p. 351-358
リンゴ, ナシ両方をともに栽培し, 皮内反応, 鼻および眼誘発試験, RASTなどの結果から両者に感作されたと考えられる職業性花粉症例を報告した.RAST inhibitionなどによる検討の結果, リンゴ花粉, ナシ花粉は, イネ科花粉や同じ樹木花粉の代表であるスギ花粉に対しては独立した抗原性を有するものの, 両者の間では品種間も含めて共通抗原性が非常に強いことが明らかにされた.一方今回調査を行った松川町では両者を栽培していることによる花粉暴露量の増加から, 他の地域より高率に職業性花粉症が発生している可能性も考えられ, さらに詳しい調査が必要と思われた.