アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
アレルゲン特異的IgE抗体の新しいスクリーニング法Quidel Allergy Screenの皮膚試験・RASTとの比較検討
岩本 逸夫山崎 博臣木村 亮落合 賢一田中 真冨岡 玖夫吉田 尚
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 38 巻 10 号 p. 1157-1162

詳細
抄録

Quidel Allergy Screen (QAS)は1枚の試験紙で9種のアレルゲンに対する特異的IgE抗体をELISAにより測定する方法である.今回QASがアレルゲン特異的IgE抗体のスクリーニング法として有用であるか否かを検討するため, これら9種のアレルゲン(HD1, HD2, D.Pteronyssinus, D.farinae, スギ, ブタクサ, ネコ, ハルガヤ, 卵白)に対するQASによるIgE抗体価とプリックテスト, 皮内テストおよびRASTのそれとの間の一致率および相関を調べた.対象はアトピー性気管支喘息患者93名と健常人25名とした.QASによるIgE抗体価はプリックテストと高い一致率を示した.また皮内反応閾値とも有為の正の相関を示した.さらに, QASによるIgE抗体価はRASTによるそれと高い一致率および強い正の相関を示した.これらのことから, QASはアレルゲン特異的IgE抗体のスクリーニングに有用と考えられる.

著者関連情報
© 1989 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top