アレルギー
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液相免疫測定法によるIgE抗体測定法AlaSTATの基礎的検討
岩本 逸夫山崎 博臣木村 亮落合 賢一中川 典明田中 早苗冨岡 玖夫吉田 尚
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1990 年 39 巻 10 号 p. 1374-1379

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抄録

液相によるアレルゲン特異的IgE抗体測定法AlaSTATが血清IgE抗体を正確に定量するか否かを調べるため, ハウスダスト(HD)陽性アレルギー性気管支喘息患者(32名)と健常人(14名)血清中の抗HDおよび抗ダニIgE抗体量を本法により検討した.AlaSTATによる抗ダニIgE抗体量は, 抗ダニIgE抗体をダニ抗原により吸収した前後の総IgE蛋白量の差とよく一致した(前者は後者の113%, n=4).また精製IgE蛋白(50-10000IU/ml)の添加は本法による特異的IgE抗体量を増加させず, 遮断抗体陽性血清の添加は同IgE抗体量を減少させなかった.さらに, 本法での抗HDおよび抗ダニIgE抗体量はRASTによるそれらIgE抗体価と強い正の相関を示した(各々r=0.90, p<0.001とr=0.86, p<0.001, n=46).以上から, 液相免疫測定法AlaSTATによる特異的IgE抗体の測定は特異的IgE抗体の絶対量を容易に測定でき, しかも遮断抗体と非特異的IgE蛋白の影響のない秀れた測定法と考えられた.

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© 1990 日本アレルギー学会
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