アレルギー
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Ozone暴露による気管支肺胞洗浄液中のThromboxane B_2, 6-Keto-Prostaglandin F_<1α>の変化と気道反応性亢進のメカニズム
今井 俊道足立 満伊平 慶三菅田 彰檜山 貴子高橋 昭三田中 祐有子
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1992 年 41 巻 5 号 p. 595-600

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抄録

Ozone暴露後の気道反応性亢進におけるthromboxane (Tx) A_2及びprostaglandin (PG) I_2の関与を検討するために, 18頭のビーグル犬にozone暴露を行い, 気道反応性及び気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中のTxB_2, 6-keto-PGF_<1α>を測定した. 気道反応性測定は7Hz oscillation法によるアストグラフを用い, 吸入methacholineに対する反応性を測定した. ozone暴露は, exposure chamber内で3.01±0.05ppm (mean±SEM), 2時間行った. ozone暴露により気道反応性 (log D min) は有意に亢進したが (p<0.001), BALF中のTxB_2は変化しなかった. 一方BALF中の6-keto-PGF_<1α>はozone暴露後有意に減少し (p<0.001), TxB_2/6-keto-PGF_<1α>比は有意に増大した (p<0.001). また気道反応性の変化Δlog D minと, ΔTxB_2/6-keto-PGF_<1α>とは有意な相関を示した (p<0.01, r=0.654). 以上より, ozone暴露後の気道反応性亢進はPGI_2の減少によるTxA_2の相対的増加, あるいは両者のバランスの変化により惹起される可能性が示唆された.

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© 1992 日本アレルギー学会
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