アレルギー
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Beclomethasone長期高用量療法の下垂体-副腎機能に及ぼす影響の検討
田部 一秋永田 真山本 英明Kaoru Kuramitsu木内 英則坂本 芳雄山本 恵一郎土肥 豊
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1992 年 41 巻 6 号 p. 662-667

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抄録

beclomethasone dipropionate (BDP) の800〜1000μg/日の長期高用量投与を1年以上継続しておりかつ最終6カ月以上にわたり全身ステロイドの投与がなされていない気管支喘息患者7名を対象として, 下垂体-副腎皮質機能について検討することを目的に, 1) 血漿ACTH, および血漿コルチゾールの日内変動, 2) 尿中17-OHCS, 17-KSの排泄量, 3) rapid ACTH試験の各項目について検討した. 血漿ACTHおよび血漿コルチゾールの日内変動は, 全症例について正常に保持されていた. 尿中17-OHCS, および17-KSの排泄量は, いずれの症例でも充分に認められた. また, rapid ACTH試験では, 全例で正常な血漿コルチゾールの上昇が認められた. 以上より, BDP 1日800〜1000μg程度の長期吸入療法は, 下垂体-副腎機能への抑制作用を発現させないことが示唆された.

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© 1992 日本アレルギー学会
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