アレルギー
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重回帰分析を用いた軽症アトピー型気管支喘息の気道過敏性に影響する臨床背景因子の検討
藤森 勝也竹本 淳紀長谷川 隆志篠川 真由美真島 一郎鈴木 栄一荒川 正昭
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1993 年 42 巻 4 号 p. 529-533

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抄録

軽症アトピー型気管支喘息の気道過敏性に影響する因子を検討した。軽症アトピー型気管支喘息37例 (13〜59歳, 男23例, 女14例) を対象に, アストグラフ法による気道過敏性 (Grs. cont, log Dmin, SGrs, SGrs/Grs. cont) の指標を目的変数とし, 年齢, 発症年齢, 罹病期間, 喫煙の有無, 家族のアトピー素因の有無, 血清IgE値, 末梢血好酸球数, 37種の皮内テスト中陽性項目数, 1秒率, 発作の型 (通年型, 非通年型) を説明変数として, 重回帰分析を用いて検討し, 以下の結論を得た。(1) Grs. cont, log Dmin に対する, 偏相関係数の最も高い説明変数は, 発作の型 (p<0.05, p<0.05) であった。(2) 通年型と非通年型でのGrs. cont, log Dminは, それぞれ, 0.247±0.064と0.318±0.097 (p<0.02), -0.837±0.457と-0.254±0.429 (p<0.005) であった。(3) 検討した臨床背景因子では, SGrs, SGrs/Grs. Contを説明できなかった。以上, 軽症アトピー型気管支喘息の気道過敏性に最も影響を与える因子は, 発作の型であった。発作が1年を通して存在することが, 気道過敏性亢進に最も関係することが示唆された。

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© 1993 日本アレルギー学会
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