アレルギー
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アトピー性皮膚炎/喘息患者の血漿脂質の脂肪酸組成
坂井 恵子奥山 治美島崎 弘幸片桐 雅博鳥居 新平松下 隆馬場 駿吉
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1994 年 43 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

血漿総脂質とリン脂質におけるリノール酸の割合がアトピー患者の方が同年齢の健常者より有意に多く, オレイン酸は少なかった. トリアシルグリセロール(中性脂質)分画ではn-3/n-6比がアトピー患者で有意に低かったが, n-6系列のγ-リノレン酸やアラキドン酸の割合は両群間に有意な差が認められなかった. 以上の結果より, アトピー患者でデルタ6-不飽和化酵素活性が低下している根拠はみられなかった. むしろ, 身体のアレルギー反応性を抑制するには食事脂質のn-3/n-6比を上げることが有効である可能性を論じた.

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© 1994 日本アレルギー学会
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