1995 年 44 巻 2 号 p. 70-76
気管支喘息重積発作患児に対してイソプロテレノール持続吸入療法が行われるようになって丸10年になる. 今回我々は, 喘息発作の誘因, 増悪因子となる呼吸器感染症の合併の有無によるイソプロテレノール持続吸入療法の治療効果の差について検討した. 結果は肺炎合併児において有意に治療時間が長くなり, 特に無気肺を合併していると更に長くなった. 年齢や発作の重症度では明らかな治療効果の差はなかった. 以上より呼吸器感染症に対する十分な管理がなされればイソプロテレノール持続吸入療法は重積発作に対して非常に有効な治療法である.