アレルギー
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気管支喘息患者における長期吸入ステロイド療法の臨床効果および気道過敏性に対する影響 : 長期吸入ステロイド療法と気道過敏性
生田 順也谷口 博之近藤 康博後藤 邦彦柳澤 聖鈴木 隆二郎高木 健三
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1996 年 45 巻 12 号 p. 1231-1236

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抄録

当院通院中の成人気管支喘息患者のデータを解析し, 1年以上の吸入ステロイド療法の気道過敏性に対する効果, ならびにその臨床効果についてretrospectiveに検討した. 1) 年齢, BDP投与量, 使用期間, 罹病期間は平均で48.8歳, 801μg/day, 28.1力月, 9.2年であった. 2) 過敏性はBDP導入前後で平均で約6倍改善したが, 過敏性の改善しない症例も多く認めた. 3) 過敏性が4倍以上改善した症例を改善群(25例), それ以下の症例を非改善群(33例)として検討を行ったが両群間の臨床的背景, 導入後の%FEV_1については有意差は見られなかった. 4) near fatal asthmaの既往が非改善群において有意に高率であった. 5) 急性悪化回数は, 吸入ステロイド療法施行後, 有意に減少したが, 非改善群は改善群に比し, 救急受診, 入院回数とも有意に多かった. 以上より長期の吸入ステロイド療法後にても気道過敏性の改善しない症例が多く存在することが確認され, そのような症例では, 種々の刺激に対する喘息の悪化が高率に見られることがわかった.

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© 1996 日本アレルギー学会
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