アレルギー
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全身性エリテマトーデスにおけるC5a刺激による多形核白血球補体C3レセプターの発現増強の低下とC5a受容体
土井 たかし竹村 周平小野寺 秀記上田 正博出口 雅子中原 梨佐一尾 直子中西 貞信瀬戸 信之柳田 国雄近藤 元治
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1997 年 46 巻 11 号 p. 1108-1113

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抄録

アナフィラトキシンの一つであるC5aは, 多形核白血球の接着, 貧食に重要な働きをするCR1, CR3の発現を増強することが知られている。本研究ではSLE多形核白血球の両レセプターのC5a刺激による増強とC5a受容体 (C5aR) の変化を観察した。対象は健常人11名, SLE患者16名で, 全例プレドニゾロンを投与 (2.5〜20mg/日) され, 非活動期であった。CR1はC5aの刺激の有無に関わらず健常人群に比しSLE群で有意に発現が低下し, CR3はC5a刺激で有意に発現増強が抑制されていた。C5aRは健常人群, SLE群間に有意差はなかったが, SLE群内においてプレドニゾロン投与量10mg/日以上の群は未満の群ならびに健常人群に比し, 有意に低下していた。この2群間でのCR1, CR3の発現には有意差を認めなかった。以上より, C5a刺激によるCR1, CR3の発現増強がSLEにおいて有意に低下しており, その発現にC5aRは関与しないこと, またC5aRの発現はプレドニゾロンにより抑制されることが判明した。

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© 1997 日本アレルギー学会
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