アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
家兎の回避により改善したCough Variant Asthmaの1例
大郷 剛岸本 卓巳
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 48 巻 1 号 p. 23-26

詳細
抄録

症例は49歳男性. 平成8年8月頃よりペットとして家兎を屋内で飼育していた. 平成9年8月頃より夜間発作性の乾性咳嗽 (約1〜2時間持続) が出現し, 約1カ月間持続したため入院となった. 血清総IgE値が5580U/ml, 末梢血好酸球数が1183/μlと高値を示し, 佐藤らの診断基準を満たすためCVA(cough Variant asthma)と診断した. 家兎に対するIgE(RAST)が96.9UA/mlと強陽性を示したため家兎が抗原と考えた. 治療として, 対症療法と共に家兎の屋内飼育を止めたことで症状は改善し, 投薬を中止しても再発を認めず, 家兎に対するIgE(RAST)も低下した. 本症例の場合, CVAは原因抗原の除去にて改善しうることが明らかとなり, その病態にIgEを介した免疫学的機序が大きく関与していることが想定された.

著者関連情報
© 1999 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top