アレルギー
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アレルギー疾患の予知と予防とEarly Intervention : 感作発症に及ぼす母胎内環境因子と体外環境因子
佐々木 聖
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2000 年 49 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

アトピー疾患の発病に関わる危険因子は, アトピー素因といわれる遺伝因子と環境因子に大別され, これらの相互作用によって発病する.したがってアトピー疾患の発病を予知し, 予防を意図とする場合, これらの因子を早期に認め, これを除去することが必要である.アトピー疾患の予防には一次予防と二次予防の概念がある.一次予防はアトピー素因を有する児の環境因子の回避, 除外を図ることであり, 二次予防はすでにアトピー疾患の発病をみている児の, 次の発病を誘発する危険因子を回避, 除去する対策である.現在, 周産期に遺伝子の異常や多型でアトピーの発症を予測することは困難であり, 臨床的には臍帯血(新生児血が望ましい)の総IgE値と, 父母のアレルギー歴によって予測しうる成績を発表している.

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© 2000 日本アレルギー学会
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