アレルギー
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同時多項目特異IgE測定法MAST-26の臨床的有用性に関する検討
中川 武正駒瀬 裕子池澤 善郎相原 道子岩崎 栄作大久保 公裕長谷川 真紀秋山 一男宮本 昭正
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2000 年 49 巻 4 号 p. 335-344

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抄録

MAST-26は, 血清量200μlで26項目のアレルゲンに対する特異IgEを同時に測定できる新しい評価方法である.今回MAST-26のアレルゲン特異IgE抗体のスクリーニング法としての有用性を検討するため, 5施設から得たアレルギー疾患患者100人の血清を対象としてMAST-26による特異IgEの測定を行った.その結果, 全患者の14%で同時に10種類以上のアレルゲンが陽性と判定された.また, 全症例を重症度別に分類した場合, 重症度が高い患者ほど, より多くのアレルゲンに対し陽性を示す傾向が認められた.CAP RASTとの相関を検討した結果, 多くの項目でCAP RASTと良好な相関を示した.また, 皮内試験との相関についても高い一致率を示した.以上より, MAST-26は特異IgEのスクリーニング検査として有用であると考えられた.

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© 2000 日本アレルギー学会
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