前回行われた4カ月健診におけるアトピー性皮膚炎(AD)の調査の追跡調査として, 1歳6カ月健診に来所した児を対象に皮膚科医が皮疹からADを診断し, 4カ月健診時の結果と比較検討した.769名の対象児のうちADと診断されたのは69名, 0.9%の有病率であった.重症例はなくほとんどが軽症例であった.皮疹は体幹, 四肢に多くみられ, 乳児期にみられた顔面頭部の発疹は減少していた.季節ごとの有病率は夏と秋に低い結果が得られた.4カ月, 1歳6カ月健診両方で観察し得た501名では, 4カ月時にADと診断されたもののうち, 約80%の児は1歳6カ月時には症状が消失していた.1歳6カ月で新たにADと診断されたものと併せて全体の26%の児がいずれかの時期にADと診断されていた.重症度で比較すると大多数の児は年齢とともにその症状が改善していた.