アレルギー
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函館の花粉飛散と鼻アレルギー患者動向
成田 慎一郎白崎 英明山谷 浩信光澤 博昭菊地 一也岸川 礼子小林 一豊氷見 徹夫
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2001 年 50 巻 5 号 p. 473-480

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抄録

我々は北海道南部に位置する函館の花粉飛散状況(1994〜1998年)及び鼻アレルギー患者動向(1999〜2000年)を検討した. スギ, ヒノキ科, シラカバ属, イネ科およびヨモギ属の飛散を認め, 特に4月にスギの大量飛散を認めた. 鼻アレルギー患者動向については, 市立函館病院における1999〜2000年に受診した鼻アレルギー患者192例を検討した. 花粉症患者は3, 4, 5および9月に多かった. 特異的IgE陽性率は計測した379例中HDが38.0%, ヨモギが16.9%, カモガヤが13.2%, シラカバが10.3%, スギが9.0%およびネコが6.9%であった. 結論として, 我々は北海道の南部に位置する函館において, イネ科とヨモギ属に加え, スギとシラカバ属は重要な花粉症の抗原になりつつあることを認めた.

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© 2001 日本アレルギー学会
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