2002 年 51 巻 6 号 p. 476-481
初めて呼気性喘鳴を呈した児117例についてアレルギー学的検査を施行し,それらの検査における異常の有無とその後の喘鳴頻度との相関について検討した.患児らは年齢相当対照に比し末梢血好酸球数,血清ECP値,血清総IgE値はいずれも有意に高値を示し特異IgE抗体も高率に陽性を示した.また平均1年9ヵ月のfollow-up期間において血清ECP値,血清総IgE値,特異IgE抗体についてはそれぞれの検査で高値または陽性を示した症例は正常または陰性であった症例に比較していずれも喘鳴頻度は有意に高かった.以上より初めて呼気性喘鳴を呈した児においてもアレルギー学的検査を施行しその後の喘息発症に備えることは意味のあることと考えられた.