アレルギー
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IgE低値アトピー性皮膚炎における免疫動態の検討
山城 将臣大久保 ゆかり加藤 雪彦玉城 毅古賀 道之
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2002 年 51 巻 7 号 p. 552-558

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抄録

血清IgE値の上昇のないアトピー性皮膚炎(以下AD)患者群と,IgEが上昇する患者群での免疫動態を比較し,皮膚炎発症における免疫機構の役割を検討した.血清IgE高値群(IgE10000U/ml以上,High-AD)29例,低値群(IgE37U/ml以下,Low-AD)23例,対照健常人11例を対象に血清可溶性IL-2レセプター(sIL-2R),可溶性CD14(sCD14),血清IL-4,IL-10,IFN-γ,TNF-αを測定,各群間で比較した.sIL-2Rは,High-AD,Low-AD,健常人の順に有意に上昇し,皮膚炎重症度と相関していた.sCD14はHigh-ADでのみ上昇していた.これらよりADはIgEの関与がなくても起こり,皮膚炎の発生に伴って,sIL-2Rも上昇するが,IgE高値群では免疫系の賊活化の為に,sIL-2R上昇がより著明になるものと思われた.

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© 2002 日本アレルギー学会
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