アレルギー
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納豆による遅発性アナフィラキシーを繰り返した1例
鈴木 慎太郎中村 陽一川野 豊西岡 清
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2006 年 55 巻 7 号 p. 832-836

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抄録

症例は22歳の男性.アナフィラキシーショックで当院に搬送され,直前の食事内容と既往歴より青魚による食物アレルギーが当初最も疑われた.以後,抗原除去を指示して外来経過観察していたが,翌月,翌々月にもアナフィラキシーで来院したため,より詳細な問診を実施したところ被疑抗原として納豆が考えられた.精査入院し,抗原負荷テストを施行し,納豆50gを摂取後9時間後に膨疹など皮膚症状や胸痛を主としたアナフィラキシーが再現され,納豆による食物アレルギーと診断した.ここ数年,納豆によるアナフィラキシーの報告が散見され,摂取後半日経過してから症状を呈する「遅発性」アレルギーと称される特徴的なパターンを示すことが多いとされる.日本の伝統食品でもある納豆は近年海外でも健康食品として注目されており,納豆アレルギーの存在が周知されることが望ましい.

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© 2006 日本アレルギー学会
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