アレルギー
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日本,中国(江蘇省・チベット自治区)の学童におけるアトピー性皮膚炎・皮膚バリア機能調査
澄川 靖之上木 裕理子三好 彰程 雷殷 敏時 海波澄川 真珠子幸野 健青木 敏之片山 一朗
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2007 年 56 巻 10 号 p. 1270-1275

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抄録

【目的】日本,中国におけるアトピー性皮膚炎の有症率と皮膚のバリア機能について調査を行い比較検討を行った.【方法】中国チベット自治区ラサ市68名,江蘇省宜興市67名,兵庫県西宮市99名の小学1年生を対象に皮膚科検診を行い,その際に経皮水分蒸散量(TEWL : transepidermal water loss),角質水分量(capacitance)を測定した.またラサ市,宜興市,大阪府大阪市の中学1年生を対象に入浴回数についてのアンケート調査を行った.【結果】アトピー性皮膚炎の有症率は,ラサ0%,宜興2.63%,西宮4.26%であった.TEWLは西宮が宜興・ラサに比し有意に高く,capacitanceはラサが西宮・宜興に比し有意に低かった.また入浴回数はラサで月2.2回と西宮・宜興に比べ少なかった.【結論】TEWLの増加に従いアトピー有症率が増加する傾向がみられた.生活習慣・環境の変化によりアトピー性皮膚炎の有症率や皮膚のバリア機能がどう影響を受けるか今後も調査を行っていく必要があると考えられた.

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© 2007 日本アレルギー学会
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