アレルギー
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小柴胡湯における薬剤リンパ球刺激試験(Drug Lymphocyte Stimulation Test : DLST)の検討
中山 雅之坂東 政司細野 達也山沢 英明大野 彰二杉山 幸比古
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2007 年 56 巻 11 号 p. 1384-1389

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抄録

【目的】漢方薬・小柴胡湯におけるDLSTの意義を検討する.【方法】小柴胡湯が原因と考えられた薬剤性肺炎の3例について臨床的検討を行った.また健常人に小柴胡湯のDLSTを行い,症例と比較して有用性を検討した.【結果】3例の臨床的特徴として,HCV抗体陽性が2例に,小柴胡湯DLST陽性が1例に認められた.胸部HRCTは3例ともHP patternを認めた。予後は3例とも良好であった.また健常人における小柴胡湯DLSTの陽性率は27.5%であった.小柴胡湯による薬剤性肺炎症例では健常人に比べ,小柴胡湯DLSTのS.I.が添加薬剤の濃度依存性に上昇していた.【結語】小柴胡湯DLSTの偽陽性率は高いが,DLSTのS.I.を添加薬剤濃度別に比較することで真の陽性と偽陽性を見分けられる可能性がある.

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© 2007 日本アレルギー学会
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