アレルギー
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呼吸機能,呼気一酸化窒素を指標としたJapanese Pediatric Control Program(JPAC)と小児喘息コントロールテスト(Childhood Asthma Control Test:C-ACT)の比較検討
磯崎 淳川野 豊正田 哲雄山出 晶子小川 倫史野間 剛河野 徹也中村 陽一
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2009 年 58 巻 6 号 p. 648-656

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抄録

【背景と目的】近年,小児喘息における簡便な長期治療管理の判定を行う質問紙として,Japanese Pediatric Asthma Control Program(以下,JPAC)と小児喘息コントロールテスト(Childhood Asthma Control Test;以下,C-ACT)が開発された.呼吸機能と呼気-酸化窒素(以下,FE_<NO>)を指標としてこれら質問紙の有効性を検討,比較した.【対象と方法】4〜11歳の喘息患児およびその保護者の計154受診を対象に質問紙のスコアを基にコントロール達成度でJPACを3群,C-ACTを2群に分類した.各質問紙と呼吸機能またはFE_<NO>と各スコアとの相関及び群間の比較を行った.【結果】両質問紙のスコアの間には強い相関を認めた.JPACと%FEV_1,FEV_1/FVC,%MMFとの間および,C-ACTと%MMFに弱い相関を認めた.JPACにおける群間には,FEV_1/FVCおよび%MMFに差異を認めたが,C-ACTにおいては差異を認めなかった.一方,両質問紙ともFE_<NO>に関してはスコアとの相関,群間の差異を認めなかった.【結語】JPAC,C-ACTともに呼吸機能を部分的に反映する可能性があったが,JPACがより優れていた.しかし,FE_<NO>との相関はなく,自覚症状,呼吸機能検査,FE_<NO>を総合的に判断した治療・管理が必要である.

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© 2009 日本アレルギー学会
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