2010 年 59 巻 11 号 p. 1552-1561
【目的】スギ花粉症の舌下免疫療法が期待されるが,検討すべき課題も多い.舌下免疫療法での治療継続による臨床効果増強と必要治療年数を検討した.【方法】舌下免疫療法を開始して1年目(n=7),2年目(n=18),4年目(n=5)の3群で,2009年のスギ花粉飛散期(大量飛散年)の臨床効果を比較した.また,舌下免疫を2008年まで3年間行い,2009年も行った例(n=5)と行わなかった例(n=12)を比較し,3年で終了できるかを検討した.【結果】治療年数が増すに従い,くしゃみ,鼻汁,鼻閉の症状スコアが全般に良くなり,症状薬物スコアが有意に4年目で良好であった.4年継続例は3年終了例より症状薬物スコアで有意に良好であった.【結論】舌下免疫療法での治療年数による効果増強が認められた.また,治療を3年で終了せずに4年目も継続する方が良いと考えられたが,検討例数が少なく今後の検討も必要である.