アレルギー
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気管支喘息及び鼻炎における血清総IgE値及び末梢血好酸球数の検討
高橋 歩今野 哲伊佐田 朗服部 健史清水 薫子清水 健一谷口 菜津子高橋 大輔谷口 正実赤澤 晃檜澤 伸之西村 正治
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2010 年 59 巻 5 号 p. 536-544

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抄録

【背景・目的】血清総IgE値,末梢血好酸球数はアレルギー疾患の診療で広く用いられている.気管支喘息,アレルギー性鼻炎は互いに合併することが知られているが,合併を考慮した上で,これらの指標との関連を詳細に検討した報告はない.本研究では,両疾患の合併を考慮し,血清総IgE値,末梢血好酸球数との関連を検討した.【方法】北海道十勝郡上士幌町住民347人を対象に,問診,血清総IgE値,末梢血好酸球数の測定を行い,両疾患との関連を検討した.【結果】血清総IgE値は,特異的IgE反応の有無に関わらず,喘息単独群,鼻炎喘息合併群で有意に高値であった(p<0.01)が,鼻炎単独群では,上昇を認めなかった.末梢血好酸球数は鼻炎喘息合併群でのみ有意に高値であった(p<0.005).【結語】喘息は,鼻炎と比較し,抗原非特異的な血清総IgE値の上昇がより関与することが示唆された.また,血清総IgE値と末梢血好酸球数の指標としての相違が示唆された.

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© 2010 日本アレルギー学会
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