アレルギー
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吸入療法における病診・病薬連携の現状 : 全国病院調査から
吉村 千恵百瀬 泰行堀江 健夫駒瀬 裕子新実 彰男土橋 邦生藤本 圭作東田 有智大田 健足立 満
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2014 年 63 巻 2 号 p. 178-186

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抄録

気管支喘息診療においては2006年から厚生労働省より「喘息死ゼロ」作戦が推進され,「専門医・非専門医の連携,薬剤師との連携が重要で地域の実情にあった連携を構築する事を目指す」と示されている.連携の重要性においてはCOPDに関しても同様である.様々な地域で病診・病薬連携が実施され学会等で報告されてきているが,全国の取り組み状況については把握出来ていない.現状を把握するためアレルギー学会認定教育施設477施設に対し,2012年3月初旬アンケート調査を行った. 246施設より回答があり,気管支喘息においては98施設(39.8%), COPDでは64(37.2%)の施設で病診連携が実施されていた.しかし連携ツールの使用は37施設(15.0%)のみであった. 209施設(85.0%)で院外処方が導入されているものの病薬連携としての連携ツールが無いと117施設(47.6%)が回答,処方箋に直接指示を書き込む施設が82 (33.3%)であった.地域連携を構築し治療の均てん化を図るためには気管支喘息やCOPD患者に関わる医療者間の連携ツール・連携体制を整えていく必要があることが示唆された.

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© 2014 日本アレルギー学会
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