2015 年 64 巻 6 号 p. 816-821
症例は34歳,男性のベテランダイバーで,沖縄県石垣島の離島である黒島で反復潜水(3回目)中に腰背部に蕁麻疹が発症した.その後,水面浮上し,ダイビングボートで黒島に到着し,機材洗浄中に失神,失禁した.近くの竹富町立黒島診療所の医師が到着し救急処置を行った.その後,海上保安庁のヘリコプターで沖縄県立八重山病院へ搬送され,救命された.当日の朝食は7時30分,昼食は12時30分,アナフィラキシー発症は15時30分であった.Prickto prick testの結果及び既往歴から納豆の関与が強く示唆された.当日,朝7時半に摂取した納豆による8時間後の遅発型アナフィラキシーであり,3回にわたる反復スキューバダイビングが増悪因子(誘因)と考えられる.