アレルギー
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原著
小児の慢性蕁麻疹のスコアによるQOLの評価
浅海 智之飯倉 克人柳田 紀之佐藤 さくら海老澤 元宏
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2016 年 65 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

【背景】European Academy of Allergy and Clinical Immunology(EAACI)では慢性蕁麻疹の評価に簡便に使用できるUrticaria Activity Score(UAS)の使用を推奨しているが,我が国では小児の慢性蕁麻疹の評価法は統一されていない.UASは慢性蕁麻疹での膨疹の数と皮膚のかゆみのスコアであり,その7日間の合計であるUAS7は,皮膚のQOLを評価するDermatology Life Quality Index(DLQI)と相関があるため,慢性蕁麻疹の評価に有用と考えられている.【目的】我々はUASを和訳し,小児の慢性蕁麻疹のQOL評価に対する有用性を評価した.【方法】2014年2-9月の期間に,当科で加療した慢性蕁麻疹患者42人を対象とした.和訳したUASを患者の保護者が自宅で毎日記入した.Children's Dermatology Life Quality Index(CDLQI)の日本語版を受診日に保護者が記入した.我々は,UAS7とCDLQIの関係性を調べた.【結果】男女比は1:1,年齢の中央値は7.5歳,罹病期間の中央値は5.5カ月であり,抗ヒスタミン薬の使用率は75%であった.調査開始日のUAS7とCDLQIは有意な相関を認めた.また,調査開始日と再診日間のUAS7の変化量とCDLQIの変化量も有意な相関を認めた.【結語】小児の蕁麻疹患者において,UASは簡便なQOL評価として有用である可能性が考えられた.

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© 2016 日本アレルギー学会
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