アレルギー
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原著
ドライパウダー吸入器(DPI)の側孔閉鎖の可否
近藤 哲理谷垣 俊守日比野 真田尻 さくら子堀内 滋人福田 稔大林 浩幸
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2019 年 68 巻 2 号 p. 96-100

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抄録

【背景】エリプタ(EPT),ディスカス(DKS),タービュヘイラー(TBH)は側孔を塞がない指導がされるが,その妥当性は不明である.

【方法】シミュレーターを用いて側孔閉鎖前後で吸入を行い,最大吸気速度(PIF),最大吸気圧(PIP),放出薬物量を測定した.EPTは実使用に近い不完全閉鎖も行った.

【結果】側孔閉鎖で気道抵抗はTBH 2.8倍,DKS 1.0,EPT 1.28(半閉塞),1.86(完全閉塞)に増加した.吸気圧15cmH2Oでの吸気速度はTBH 14L/min,DKS 47,EPT 34(半閉塞)だった.閉鎖によりTBHからの薬物放出は低下したが有意差はなく,DKSでも低下はなく,EPTでは完全閉鎖でほぼ半減した.閉塞によるPIFの低下はTBHでは微細粒子発生を深刻に低下させるレベルだったが,DKS・EPTは許容範囲であった.

【結語】側孔閉鎖はTBHに深刻な効果低下を及ぼすが,DKSはほぼ影響なく,EPTは不完全閉塞なら影響は軽微である.

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© 2019 日本アレルギー学会
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