アレルギー
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綜説
粒子性物質の刺激は感覚神経系を介してgoblet cell-associated antigen passageを誘導する
木村 芽以子安藤 智暁海老原 伸行北浦 次郎
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2025 年 74 巻 5 号 p. 263-270

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抄録

我々は以前に,マウスモデルを用いて,事前感作無しの花粉の連続点眼により好酸球性の結膜炎が誘導されること,さらにその誘導には花粉の殻などの粒子性物質が必要であることを明らかにした.そこで本研究では,眼局所における抗原取り込み経路に着目し,その経路に粒子性物質の存在がどのように関わるかを調べた.蛍光色素ラベルした蛋白質を花粉の殻とともにマウスに点眼し,結膜組織内の局在を観察した.すると,花粉の殻の刺激によって多数の杯細胞が抗原を取り込んでおり,その分布と結膜下で抗原を取り込んでいる細胞の分布がよく相関していたことから,杯細胞関連抗原経路(goblet cell-associated antigen passage,GAP)を形成していることが示唆された.GAPは花粉の殻の刺激によって数分以内に形成されており,GAPの形成と同時期に眼表面から取り込まれる抗原がアレルギー性結膜炎の発症に重要な役割を果たしていた.局所麻酔薬の事前投与や三叉神経の電気焼灼は殻の刺激によるGAPの形成を抑制し,同時に抗原提示細胞による抗原の取り込みも抑制した.これらの結果から,花粉の殻の刺激が神経―杯細胞連関を介してGAPの形成を誘導し,そのGAPを介して取り込まれる抗原がアレルギー性結膜炎の発症に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.

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© 2025 日本アレルギー学会
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