第4次産業革命の進展に伴う社会構造の変動を見据えて、新しい時代を生きる子供たちに必要な能力形成を目指す教育改革が進められている。予期せぬ課題に解決策を見いだし、新たな価値を生み出す創造力や批判的思考力の育成は急務であるとされ、それは芸術教育への現代的要請にもなっている。STEAM教育はその最も顕著な現れと言えよう。 本稿では、STEAM教育におけるArts(美術)の役割や位置付けを明確にするため、前身であるSTEM教育の歴史的文脈やアーツ・インテグレーションの視点、芸術教育政策の視点等から考察し、その統合原理を明らかにした。また、Arts(美術)の役割や位置付けを明確にしたSTEAM教育の在り方を検討し、STEAM授業フレームワークを基にした義務教育課程の学習デザインを構築した。