本稿は、研究対象となった私立中学校において、普段使いの英語教材を用いて絵画鑑賞を英語で扱った授業の実践報告と、その効果を検証するものである。CLIL(Content and Language Integrated Learning: 内容言語統合型学習)のフレームワークに基づいて授業を実施し、「思索的に見る、意味を作り出していく鑑賞」を行い、考えたことや感じたことを英語で表現することを促した。生徒の自己評価とインタビュー調査の結果得られたデータを質的に分析したところ、多くの生徒がそのような姿勢で絵画鑑賞にのぞんでいたことが示唆されたが、少数ながら英語で表現することに抵抗感をおぼえる生徒もいた。