抄録
PCでイラストを描く人が増えている。描かれるのは人物イラストが多く、そのポーズでイラストの印象は大きく変わってくる。しかし、違うポーズの印象を見たいと思っても、ポーズを変更するには描き直しや、拡大縮小、変形処理をかけるなど、多くの工程や時間がかかってしまう。また、従来の変形処理は四角形の枠を用いた処理が多く、変形の自由度が低いため、自然な形に変形することが困難である。そのため、作業を進めていると、イメージしたポーズや全体像が崩れてしまうことがある。この問題を解決するため、Harmonic Coordinatesの技術を応用し、多角形による変形処理をすることができるツールを開発した。これにより、人物のような複雑な構造のものに対しても一度に変形処理を行うことができるため、ユーザーがイメージしたポーズに簡単に変更できるようになった。この結果、作業工程や時間が少なくなり、ポーズによる印象の違いを簡単に見ることができるため、よりイラストの表現の幅を広げられるようになった。