芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
一般論文
  • 小六 優依, 藤代 一成
    原稿種別: 原著論文
    2024 年 23 巻 3 号 p. 6_1-6_17
    発行日: 2024/09/25
    公開日: 2024/10/22
    ジャーナル フリー

    3DCG におけるキャラクタアニメーションでは,セルアニメのような手描きらしい動作を表現するために,コマ打ちを用いることがある.セルアニメにおけるコマ打ちは,少ないポーズ数で動作を表現するために,余剰な動作を省略し速さを強調することにより,現実動作とは異なる質感をもっている.したがって,現実動作に一様なダウンサンプリング処理を施しても,セルアニメに特有な動作の質感までは再現しづらい.そこで本論文では,モーションキャプチャデータをセルアニメらしい動作へ変換するシステム MoNACA (Motion transfer by Nakawari Adaptation for Cel-anime Articular trajectories) を提案する.MoNACA では,動作の距離配分と余剰性を考慮することで軌道曲線を純化し,その関節軌道から分割点群を選択することで,中割りポーズ群を決定する.さらに,セルアニメの平面性を再現するために微小回転を省略し,動作の視認性を高めるための最適視点位置を自動で決定する.変換動作およびシステム機能に対する評価実験により,MoNACA は,既存手法と比べ,より魅力的な動作変換を効率的に実現できることが実証された.

  • 山本 輝, 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    原稿種別: 原著論文
    2024 年 23 巻 3 号 p. 7_1-7_16
    発行日: 2024/09/25
    公開日: 2024/10/22
    ジャーナル フリー

    今日,コンピュータゲームにおける剛体同士の衝突判定は,高速に判定を行える境界ボリュームが使用されることが多い.しかし,コンピュータ内での剛体の移動が離散的であるため,剛体の運動速度が非常に大きい場合は,剛体同士が衝突せずにすり抜けてしまう場合がある.この問題に対処するために様々な CCD(Continuous Collision Detection) 手法が提案されており,銃弾などの運動速度の大きい剛体を扱う FPS(First Person Shooting) ゲームなどで利用されてきた.一例として Unity で採用されている Sweep-based CCD 手法と,Speculative CCD 手法があるが,Sweep-based CCD 手法は角運動を無視しているため回転運動に対応しておらず,Speculative CCD 手法は回転運動の場合に衝突判定精度が低いという問題がある.本研究ではこの問題を解決するために,直方体の回転運動軌跡の近似形状である扇形によって運動軌跡を補間し,回転剛体の衝突判定精度の向上を目的とした.本論文では扇形とプリミティブ形状との干渉判定手法を提案し,扇形を用いた回転運動軌跡の補間によって衝突判定精度が向上したかどうかの検証結果と,提案手法の実行速度を示す.

  • 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    原稿種別: 原著論文
    2024 年 23 巻 3 号 p. 8_1-8_14
    発行日: 2024/09/25
    公開日: 2024/10/22
    ジャーナル フリー

    漫画やアニメ,ゲームにはエネルギー波と呼ばれる表現が存在する.エネルギー波の描画表現では,強い発光を伴いながらエネルギーの塊が移動する様子が描かれている.筆者らはこれまで,プリミティブ形状においては解析積分可能なエネルギー分布を規定した.2次曲線や円環形状を表現するエネルギー分布では,数値積分を用いて形状表現を行ってきた.本研究では,線積分における媒介変数と陽関数曲線における媒介変数の2つの対応を取る事で,1つの関数として三角関数曲線やパラメトリック曲線といった分布状態を高速にレンダリングする表現する手法を提案する.螺旋曲線や B-Spline 曲線を対象に被積分関数を構築し,合成シンプソン法で積分する事でリアルタイムな描画速度を保ちつつ,実装検証により関数曲線を用いたエネルギー波形状の表示に成功した.

  • Kokichi Sugihara
    原稿種別: Full Paper
    2024 年 23 巻 3 号 p. 9_1-9_9
    発行日: 2024/09/25
    公開日: 2024/10/22
    ジャーナル フリー

    This paper presents a new visual phenomenon in which the shape of a whole animal is created by optical illusion when a physical 3D object representing a head half or a tail half is placed in contact with a mirror, and the resulting whole animal makes a U-turn in another mirror that is perpendicular to the first mirror. Using two such half-body objects, we can create a circular parade of four animals that orient clockwise or counterclockwise uniformly. The mathematics and design principles of this phenomenon are shown with examples. Some extensions are also discussed.

  • 小柳 壮摩, 萩原 将文
    原稿種別: 原著論文
    2024 年 23 巻 3 号 p. 10_1-10_11
    発行日: 2024/09/25
    公開日: 2024/10/22
    ジャーナル フリー

    本論文ではアニメーションが付与された絵本の読み聞かせ動画生成支援システムを提案する.提案システムは,物語生成部とアニメーション動画生成部の2つで構成され,ユーザーとの対話形式で絵本動画を生成する.物語生成部では,ユーザーが絵本の題名とページ数を入力することで自動的な文章生成を行う.そして,4種類の音声の中から好みの音声を選択することで自動的に文章の読み上げ音声を生成する.アニメーション動画生成部では,ユーザーによる入力テキストを元に絵本の背景画像と絵本内に登場する画像オブジェクトを自動で生成する.ユーザーは生成させるアニメーションの選択と背景画像内をクリックすることで簡単にアニメーションが付与された絵本動画を作成することができる.これら2つの生成部により,ユーザーが絵本の文章と絵を準備することなく,簡単な操作のみでアニメーションが付与された絵本動画を作成することが可能となった.評価実験により,提案システムでは文法的,文脈的に整った絵本らしい文章の生成が可能であり,アニメーションについても文章の内容と合致した読み手が楽しめる絵本動画の生成が可能であることが確認された.

feedback
Top