抄録
粒子法は水のCGに利用される場合が多く,気体のCGに利用された研究例は少ない.その要因の一つとして境界条件の取り扱いの困難さが挙げられる.粒子法による気体のシミュレーションでは,シミュレーション空間から流出する粒子に対し,シミュレーション空間内の粒子数を維持するため,どの位置にどの程度の速度で粒子を流入するかについては試行錯誤が必要となる.本研究では爆発のCGを対象とし,シミュレーション空間開放面近傍に存在する粒子の速度を用いて,風上の位置に遡って流入位置を決定する"風上流入境界条件"について提案する.本手法では粒子の流出の妨げを抑え,粒子の流入位置や速度を自動で決定できる.