2016 年 15 巻 1 号 p. 20-31
この論文では,未校正単視点画像のみを用いる4種類の新たな平面推定法を提案する.よく知られているように,1枚の画像からでは十分な3次元情報を得ることはできないが,例えば,点の共面性や線・平面の平行性といった幾何学的な手掛かりを利用すると,1枚の画像からでも直接的に3次元量が推定できる.特にこの論文では,ある空間平面を推定するために,新たな4種類の幾何学的手掛かりを利用する.一つ目は,推定したい平面上における既知の長さを手掛かりとする手法,二つ目は平面上の既知角度を手掛かりとする手法,三つ目は平面上の真円とその中心点を手掛かりとする手法,最後は推定したい平面またはその平行平面上に存在する二つの真円を手掛かりとする手法,である.さらに,これらの推定平面を利用すると,空間中の2点間距離といった3次元量が1枚の画像から推定できることを示す.実画像を用いた評価実験では,提案手法によって良好な3次元量が得られることを確認した.