抄録
遺跡から発掘された石器は,洗浄,採番,母岩分類の後,組み立てを行い,それぞれの石器に識別番号が与えられ,その製法や用法を知るために調査される.しかし,調査の過程で識別情報が失われてしまう可能性があるため,実物の石器から識別番号を自動で提示するシステムが求められている.本稿では,石器の識別自動化のため,RGB-Dカメラで計測した実物の石器を識別する手法を提案する.本手法では,RGB-Dカメラを用いて石器の表面の点群を計測し,計測した点群と事前にスキャンしておいた石器の点群を2Dと3Dの手法を組み合わせたアルゴリズムによって比較することで石器の番号を識別する.具体的には,処理速度の早い輪郭を用いたマッチング手法とICPアルゴリズムを組み合わせることで,点群のみを用いた手法よりも速い処理速度と,輪郭のみを用いた手法よりも高い識別精度を実現する.24個の石器から構築された82個の石器点群データをデータベース化し,いくつかの石器に対して本手法を適用した結果,良好な結果が得られた.