人類學雜誌
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日米混血兒頭部發育の個人追跡的研究概報
保志 宏
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1959 年 67 巻 2 号 p. 73-81

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抄録

日米混血兒頭部發育の個人追跡的研究の中間報告として14人の少女達につき、4歳から11歳の間に於ける主なる計測項目及びそれより算出せる示數の變化を個人發育曲線に描き、日本人少女の平均値と比較しながら概説した。その結果は Table1,Table2の如くである。
(1)大多數の項目で混血兒の生長率は日本人のそれを凌いでをり、混血兒の個人發育曲線の多くは11歳までに日本人の平均曲線を越えている。
(2)多くの項目で黒人との混血兒と白人との混兒見との間に差は認められない。しかし鼻幅、口裂幅、鼻幅及び口裂幅の頬弓幅に對する示數では、5歳もしくはそれ以前から黒人との混血兒が白人との混血兒を凌ぎ、頭長もこの傾向にあり、下顎角幅ではその逆で、頭長幅示數もこの傾向をした。
(3)鼻幅の頬骨弓幅に對する示數の個人發育曲線は5歳から9歳までの間、横軸に平行に走っている。即ちこの間鼻幅は頬骨弓幅と常に一定の比率を保って生長している。
(4)口裂幅の頬骨弓幅に對する示數の個人發育曲線のうち、白人との混血見のそれは、口裂幅の個人差の出現の有様を明瞭に示している。

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