人類學雜誌
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ガーナ•ケニアおよびモロッコ現地人の背部プロフィール
今井 義量
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1975 年 83 巻 1 号 p. 18-28

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抄録
アフリカの表記三ケ国で得られた現地人の立位側面写真から,16才以上の男女につき背体表シルエット曲線を求め,自動読取機によって曲線細分点を座標化し(約300分点),等倍図にプロットして曲線型の特徴を検討した。地域相互の違いを数量的に把握するため,体の傾きや基軸のとり方に支配されない曲率の平均値について,体曲線そのものを性別に比較した。
ガーナでは上背曲線がなだらかであるに対し,ケニア•モロッコでは骨•筋隆の体表型への表出がある。殿曲線型もガーナとケニア•モロッコ型があり男女で逆の特徴を示す。
腰のくびれの曲率と体型•体力測定値との相関ではガーナ男性,ケニ•ア•モロッコ女性では皮下脂肪と,ガーナ女性,ケニ.ア•モロッコ男性とは筋•筋力の発遠に相関がある。なお,腰のくびれの高さと年齢的相関がガーナとモロッコの女性に認あられた。
背曲線型と体型•体力との相関から,背表曲線の曲率は人類集団的変異特性としての可能性が強いことが認められる。
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© 日本人類学会
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