人類學雜誌
Online ISSN : 1884-765X
Print ISSN : 0003-5505
ISSN-L : 0003-5505
頭骨計測値の多変量解析からみた現代琉球人(男性)
多賀谷 昭池田 次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 84 巻 3 号 p. 204-220

詳細
抄録
現代琉球人男性頭骨の17計測値について,沖縄地方と奄美地方を比較した結果,両地方間に明瞭な差がみられ,本州,九州の6地方型とこの両地方の分析では,琉球人が日本人の地方型の一つであることが明らかとなった。次いで琉球,西日本,東日本を朝鮮,中国,台湾,インドネシアの諸種族および八雲アイヌと比較した結果,南方のいくつかの種族が本州,九州に次いで琉球に近いこと,比較集団中,アイヌにもっとも近いのが琉球であることが示された。最後に,縄文,弥生,古墳人骨との比較では,琉球はこれらおよび現代日本人,アイヌに同程度に近く,朝鮮人とは比較的遠いという結果がえられた。
著者関連情報
© 日本人類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top