札幌医科大学第2解剖学教室
1983 年 91 巻 4 号 p. 455-463
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北海道縄文時代後期末葉に属すると考えられる三ツ谷貝塚出土人骨において,成人および小児の上顎洞内に極めて特徴ある骨増殖像が認められた。この所見は,臨床耳鼻咽喉科学上,いわゆる"遊離骨片"と診断されるものであるが,本症例のように巨大な骨塊を呈するものは臨床的にも,また古病理学的にも比較的稀なものである。今論文はこの"遊離骨片"について,その形態,古病理学的診断等について述べるとともに本症の病因や遺伝的素因についても若干の考察をおこなった。
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