人類學雜誌
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大学生の体組成と除脂肪組織量指数(LBMI)について
服部 恒明
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1991 年 99 巻 2 号 p. 141-148

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抄録

体構成を表す指標として様々な身体充実指数が提案されている.その中で体重/身長2指数は簡明でかつ栄養状態や肥満の程度を評価するうえで有効であり広く用いられている.しかし,体重を構成している除脂肪組織と脂肪組織の密度は顕著に異なるために体重/身長2指数の増加はかならずしも肥満度の増大(脂肪の増加)を意味しないという問題がある.本研究ではこれらの問題を解決し,除脂肪組織と脂肪組織の量を身体のサイズとは独立に評価するため,除脂肪組織量指数(除脂肪組織量/身長2),脂肪組織量指数(体脂肪/身長2)が求められた.さらにこれらの値を2次平面グラフ上の点に示し,体構成を評価するボディコンポジション•チャートシステムの導入が試みられた.このチャートシステムによって個人の体構成を多脂肪多筋型,少脂肪多筋型,多脂肪少筋型,少脂肪少筋型に分類して容易に評価することができる.この方法は個人の体組成の動態を評価する時にも有益である.

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