抄録
本稿の目的は、仮面の芸術的・教育的意義を明らかにすることである。美術教科書で紹介されているにもかかわらず、仮面の芸術的意義は未だ十分に解明されていないからである。まず、絵画のモチーフとしての仮面を研究した。仮面の芸術的意義は、本来の力と形を持つことにあることが分かった。パブロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』はこの事実を示している。次に、能面を研究した。能面は日本の芸術作品であり、洗練された仮面へと進化を遂げたことで、単なる表現だけでなく、舞台の光との関係性も表現している。第三に、仮面の本質的な意味である「隠す」「ペルソナ」「変身」を研究した。そして、「ペルソナ」には教育的な意義があることを発見した。なぜなら、それは生徒の人格形成に役立つからである。最後に、仮面を理解することは、文化や他者を理解する上で有用であると結論づける。